第二新卒の転職~おすすめできない業界・職種3つとその理由

業界解説
Pocket
Share on Facebook
LINEで送る

第二新卒者や20代で転職を考える人は、「自分が転職する業界の動向」が非常に気になることでしょう。

職業に貴賤はありませんが、できるだけ未来の展望がひらけている業界に入りたいと思うのは当然のことです。

そこでここでは、あえて「おすすめできない業界・職種」を取り上げます

斜陽産業の代表格といわれているのが「印刷業界」

斜陽産業の話題が出るたびに必ず話題に上るのが、「印刷業界」です。リーマンショック以降、日本では広告費を削減しようとする動きが活発になってきています。現在は、「広告費を削って価格に還元しました!」と謳う商品も多くみられます。

広告費が削られることで、ダイレクトに影響を受けたのが印刷業界です。各種パンフレットやチラシなどが刷られなくなり(あるいは数や品質が落ち)、印刷業界は苦境に立たされることになりました。

さらに、インターネットやネットプリントサービスなどを利用する層も増えてきており、「知識のない人が、知識のないまま、それなりにきれいな印刷物を手に入れられる」という状況になりました。

また新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延によって企業が大ダメージを受けただけではなく、個人の愛好家たちが自分たちで取りまとめていた印刷物(いわゆる同人誌)の発注も激減しました。大手の同人誌印刷会社も売上が半減したとして、新聞に取り上げられています。

出典:中國新聞デジタル「同人誌即売会「コミケ」中止で印刷業苦境 成長市場に水、「作家の意欲減退」」
https://www.chugoku-np.co.jp/localeco/article/article.php?comment_id=680118&comment_sub_id=0&category_id=113

かつてからその存続が危ぶまれてきた印刷業界は、新型コロナウイルスの影響によってさらに逆境に立たされることになりました。

ただそれでも、印刷会社がまったく0になることはないと考えられています。かつては「電子書籍が出れば紙媒体の本は駆逐される」と言われていましたが、2019年においても、紙媒体の本は電子書籍の本の4倍程度の売り上げを記録しています。電子書籍とは異なり、紙媒体の書籍はいつまでも手元に残しておけるということもあり、紙媒体の本がすべてなくなることは今後もないと思われます。
そのため、印刷業界そのものが消えることはないと考えるのが妥当でしょう

出典:公益社団法人全国出版協会「2019年の出版市場を発表紙+電子は0.2%増の1兆5,432億円のプラス成長。紙が4.3%減、電子が23.9%増」
https://www.ajpea.or.jp/information/20200124/index.html

また大手の印刷会社は、液晶カラーフィルターや太陽電池部品などの開発・販売を手掛けるなどしており、「異業種」にも進出していっています

このようなことを踏まえれば、印刷業界はたしかに斜陽産業であり厳しい状況にあるが、転職先をよく吟味すれば活躍できる可能性はある」といえるでしょう。ただし事前の情報収集は必須ですし、少ない牌を多くの印刷会社で取り合うことになるという覚悟は必要です。

会計ソフトなどの登場で苦境に立たされる「経理事務」

「業界に未来がない」「第二新卒者の転職先として、おすすめできない職種」として名前が挙げられる職種・業界は、実にさまざまです。またその理由も数多くあります。

そのなかでも、「経理事務」は非常に「現代らしい」理由で衰退が予想される職種だといえます

現在は会計ソフト(経理システム)が多数出ています。「クラウド会計ソフト」などのようにまとめられることが多いものであり、ソフトを使って経理事務ができるようになっているものです。

これらの多くはまったく知識がない人であっても、マニュアル通りあるいは税理士などの指導を数回受ければある程度使いこなせるようになっています。このためかつては専門職であった経理事務職が、特に資格もない人にとって代わられようとしているのです

会社側からすれば、「資格があって、賃金が高くなるであろう人」よりも、「資格がなくても、会計ソフトである程度の経理ができて安く雇える人」の方が魅力的にうつります。

現在は多くの会社で会計ソフトを導入しています。特に新しい会社の場合は、国税局が用意した会計ソフト(体験版)を使っての記帳指導も受けられるようになっていますから、これを利用する人も多いことでしょう。

このような状況を踏まえれば、「経理事務としての資格(簿記など)を持っていても、それだけで勝負することは難しくなる」「資格持ちの経理事務担当者よりも、会計ソフトを無難に使える無資格者の方を雇いたがる会社もある」ということがわかるでしょう。

ただし会計ソフトだけで完璧な書類を作ることは難しいといえます。実際に会計ソフトを導入している会社であっても、「不明点は顧問税理士に聞く」「最終的なチェックは税理士にお願いする」としているところは非常に多くみられます

このため、税理士クラスの資格を持っていれば、それは十分に強みになります

ちなみに上で挙げた「簿記」の1級を持っていれば、この税理士試験にチャレンジすることができます。

新型コロナウイルスの影響が直撃! 飲食業界は厳しい展開が続く

「飲食」は、私たちの生活に欠かすことのできないものです。そのため不安定さはありながらも、「飲食業界そのもの」は今後も続いていくものと思われていました。

しかし2020年の1月ごろから注目され始めた新型コロナウイルス(COVID-19)はこのような見通しを一気に打ち砕きました。

2020年の2月ごろから一気に飲食サービス業の売上は低下し始め、2020年の12月には「前年同月に比べて、11か月連続で減少した」と報じられました。2020年の12月の売上は2019年の12月の売上に比べて26パーセント以上も下落しています。また2020年の4月に至っては、60パーセントも減少しました。また、2020年には飲食店の倒産が過去最大になったというデータもあります。

出典:総務省統計局「サービス産業動向調査 調査結果」https://www.stat.go.jp/data/mssi/kekka.html

Foodist「【新型コロナ】飲食店の倒産、2020年は過去最多。居酒屋業態に大きなダメージ」https://www.inshokuten.com/foodist/article/5991/

新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延は、飲食業界に大ダメージを与えました。また旅行や宿泊などの産業も、同じく非常に大きなダメージを受けています。今後も新型コロナウイルス(COVID-19)が収まらない限り、飲食業界が「第二新卒者におすすめの転職先」としてピックアップされるようにはならないとみるのが現実的です

支援制度は数多く打ち出されていますが、今後もこの苦境は続くと予想されており、「前と同じ水準」に戻るのは非常に難しいでしょう。ただ世界各国で安全なワクチンが開発され、またそれが取り入れられるようになれば、状況は変わるかもしれません。

業界の動向をつかむことが、より良い転職・就職につながる

業界の動向」「業界の衰退」「業界の隆盛」は、転職を考える人に大きな影響を与えます。

「自分が就きたい仕事」から転職先を選ぶことはもちろん重要ですが、これらを踏まえたうえで、次に進むべき道を考える冷静さも必要ですね。

参考URL:https://asobo-design.com/nex/column-42-4710.html
https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11842.html
https://www.nta.go.jp/about/organization/osaka/topics/shotokuzei/kicho.htm